CooPeo会員のご紹介:中小企業のブランディング

CooPeo会員のご紹介:中小企業のブランディング

こちらでは、CooPeo(クーピィー)へ新たに入会された会員さんのご紹介を順番に行っていきます。

本日は株式会社ROOM810の島健さん。
総合デザイン会社としてオフィスや店舗などの設計デザイン、Webや印刷物などの広告デザイン、番組やイベントの制作なども手がける東京都荒川区の株式会社ROOM810でクリエイティブ・ディレクターとして活動する島さんは、NPO法人TOKYO L.O.C.A.Lのプロデューサーとして地元・荒川区にカフェをオープンしたり、荒川区自体のブランディングにも取り組んでいます。

現在特に力を入れているのが中小企業のブランディング。
日本では「ブランド」と言うと高級ブランドのような、ロゴマークを身に纏うだけで自身の価値が上がるようなものやコカ・コーラのように「誰もが知る商品名」のイメージが強いですが、「すぐに価格競争に巻き込まれてしまう、自社商品がコモディティ化してしまう、同規模の競合他社が全国に数多いる中小企業こそ、ブランディングが必要。ブランディングを高めれば、日本の中小企業は圧倒的に勝てる」が島さんの持論です。

中小企業に眠っているヒット商品やサービスの種を見つけて、それをブランディングやデザインの知見を活かして世の中に送り出し、ヒットさせる。その結果として収益はもちろん、企業の採用活動まで好転させる。ブランディングこそ中小企業に必須のソリューションであるとのテーマで、テレビCMやWEB広告を出すことを想像もしていないような企業から日々魅力的なサービスを生み出すサポートをしています。

こちらは島さんがブランディングを手掛ける「ときここち」という商品です。

株式会社ROOM810と同じ荒川区にある板金加工の町工場・トネ製作所が創業以来初めて生み出したB to C商品です。
元々人目に触れることのない機械や装置の中にある部品を作ってきたトネ製作所。高い技術力を持ちながら、海外を含めた厳しい価格競争の中で、何か自社の起爆剤になり、従業員も元気を得られるような商品開発をしたいと考えていた企業です。

ヒット商品のアイデアは身近なところにありました。
奥様が「生卵などのドロッとした白身が苦手」であることに着目した社長が、「うちの板金加工技術を使えば、卵をかき混ぜるのではなく切って、ドロドロの白身が一切残らない綺麗な溶き卵をつくる器具が生み出せるのでは」と考え、試行錯誤した結果、「ときここち」という商品が生まれました。

抜群の切れ味で卵を切り、混ぜる。しかし手で触っても全く危険はない、丸みを帯びて洗練されたフォルムで、食洗機でも気軽に洗える。しかし一点一点手作りされた「ときここち」は一本4,000円を超える高額な器具に仕上がりました。

そこで、当初「茶碗蒸しやだし巻き卵もキレイに作れる。卵以外の粉物を混ぜるにも使える」と万能調理器具のような打ち出しだった「ときここち」を、ブランディングのエッジを立てるために「敢えて卵かけご飯にしか使えない、卵かけご飯専用器具というキャッチコピーにしよう」「卵かけご飯にしか使えないのに4,000円というのが面白い」「高い器具で極上の卵かけご飯を食べたい人は必ずいる」というブランディングで販売を開始しました。

ブランディングの開始以来、その反響は圧倒的。
「ワールドビジネスサテライト」を皮切りに、「グッとラック!」「ぶらり途中下車の旅」など数々のテレビ番組、「モノマガジン」など数多くの雑誌に取り上げられ、取り扱いたいという依頼が殺到。メディア露出のタイミングでは一日に1,000本近く売れた日もあり、現在も注文に対して生産が追いつかない状態が続いています。

こうした「中小企業だから出来る、大きな予算を掛けなくても出来る」ブランディングのノウハウを皆さんとシェアされたい、新しいビジネスの種と出会いたいとの希望から、今回CooPeoに参加いただきました。

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